NY百花繚乱 -   Identityの踏み絵

 

先週の金曜日の夜10時からABC放送の20/20(Twenty Twenty)を何年振りかで見ました。80年代から90年代の初頭迄わりと良くこの番組を私は見ておりました。当時はバーバラ、ウォルターともうひとりが交代でインタヴューしておりダイアナ妃をインタヴューしたのも彼女です。私は何かしらこのバーバラのちょっと鼻持ちならない氣分が好きになれなかったのですがいちど彼女がクリストファー、リー(元スーパーマン役で人気を博し落馬事故で首から下が麻痺になった)と彼のワイフをインタヴューした時のことです。バーバラがリー夫妻にビックリするようなこんな質問をしたのです”あなた達のセックスライフはどうしているのか?”。この質問を聞いて私は呆れ果てました。日本人の感覚からしたら大変失礼な質問だと思うしこんな無神経な質問をする彼女のセンスを疑いました。

先週の金曜日の放送はアメリカ人の中年の男性が奇病で死の淵から助かったものの免疫システムが破壊されて両手両足が壊疽し、結果切断せだるを得なかったのです。両足は具足が進歩しているので歩行には問題がありません。しかし片手は指を殆ど失い、もう片方は肘から下は切断されてます。彼の異常に気付いて死の淵から救ったのは彼のガールフレンドで蘇生した彼は後に彼女と結婚するのですが、彼が8ヶ月待ってやっと肌の色、サイズ、血液型等合致する両手をドナーから提供を受け優秀な医者が13人のチームと18時間掛けて移植したのです。ドナーから提供される両手の鮮度を保つのは4時間半がリミットだそうですが、LAの空港から車で病院に届ける途中にオバマ大統領の訪問で大渋滞に巻き込まれハラハラしながらもやっとギリギリ病院に到着し待っていた医師団が早速手術を始めるのです。その手術のシュミレーションを長年やっていた医師が手術の手順を事前に説明をします。18時間の手術を終えた翌日は彼のワイフになった人の誕生日でその時移植した指の一本が奇跡のように動いたのです。移植した肘の途中からは大きな縫い目が不自然に段差になった新しい両手に接合させられてます。ドナーの両手はまだ若い男の両手のように見えましたが、私は途中で氣分が悪くなってチャンネルを切り替えました。内臓の移植ならともかくも顔面の移植、両腕の移植、これらは果たして日本人だったらアメリカ人のように素直に喜べるのか、と思ったのです。両手を失った人の悲しみや不自由さは想像を超えるものかと思います。しかしドナーから提供された”両手”、これを自分だったら移植を受け入れるだろうか。日本人とアメリカ人の死生観の違い、それを思うと私は両手や顔面の移植が日本人であるか、アメリカ人であるかの”踏み絵”のような気がしました。

 

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