NY百花繚乱 - 様々なRoom Mate

30丁目のアパートに引越してから私はその頃の日系新聞OCSの求人広告欄にルームメートを探し始めました。家賃を折半にすると大変助かるし、私は夏はサグハーバーの店に三ヶ月に行って留守だし、冬の三ヶ月も日本に行って留守なので半年はアパートに居ないのです。それ以外のシーズンは金曜日から月曜日迄店を開けてましたので、アパートに居るのは週3日だけです。私は日本人の女の子だけに焦点を絞りました。アメリカ人は信用していなかったので貸すつもりはありませんでした。でも知り合いから頼まれてやむなく二人だけに貸したらやはりダメで、ひとりは家賃を払わずトンズラ、もうひとりも光熱費をずっと支払わないまま消えてしまいました。最初のアパートは9階の西側でそのアパートには1987年から1997年迄の10年間マイケルから借りてました。ちょうどバブル期の頃でした。

北海道出身のN子は23歳で匂い立つような色気があり、同性ながらもうっとりします。とても性格の良い子で申し分無いのですが、たったひとつの欠点は衣替えの季節のように男が次々と変わるのです。これには本当に私も悩みました。どうして悩むかと言うとワンベッドルームのレイアウトがベッドルームとリビングルームが接続していてキッチンとバスルームがそれぞれ両端にあるのです。つまり私が夜遅くにバスルームに行こうとすると彼女が寝ているベッドルームを通らないと行けないのです。勿論彼女ひとりで寝てるのであれば問題ありません。問題は彼女が男と寝てるその横を私が通らないとバスルームに行けないのです。これには本当に参りました。こんなこともありました。アメリカ人の新しいボーイフレンドから真夜中に電話があったのです。私は怒気を含ませた声で”Do you know what time is it”とかなり不機嫌な声で言ったら相手は丁寧にも正確な時刻を教えてくれました。水商売の女の子もいました。私は途中で自分で捜すのを止めて不動産やに斡旋を頼むようになりました。と言うのは不動産やに手数料を払える子、そして身元がはっきりしている子を重視したのです。何故なら殆ど留守がちなので不動産やに任した方が得策だと考えたからです。私は1997年の11月に8階の東側のワンベッドルームを購入しました。このアパートを購入するにあたっては実に1年半も時間が掛かりました、私は新米の弁護士を雇ってましたが、彼ではラチがあかないと判断して他の弁護士に書類を全部持って行ってやっと購入出来たのです。私が出したオファーの金額が遥かに良かったのでマネージメントも待ったのだと思います。とにかく8階のアパートはキッチンとバスルームが真ん中にあり、それぞれベッドルームとリビングルームが両端にあります。このレイアウトだと夜中にバスルームを使うのも気兼ねしなくて良いしプライバシーもかなり保たれるのが購入する決め手になったのです。

このアパートでかなりおかしなルームメートの女の子がひとりいました。学校に行っているとかであまり顔を合わすことが無かったのですがいろいろとメールで注文を付けてくるのです。バスルームのドアに鍵を付けてくれ、と言うのです。バスルームを使っているのを知らずにうっかりドアを開けてしまったことがあるのです。でもトイレは洗面場の鏡とシンクの壁の後ろにありよしんば使用していたとしても足が見えるだけです。私はあちこちハードウェアーショップを回りましたがドアフレームが鉄製なので取り付けるのは専門家を呼ばないと素人では取り付けられません。サグハーバーにいる私にメールが届くのですが、どうも腑に落ちないのでよくよく時刻などを仔細に見たら何とメールは日本に居る彼女の母親が全部返事を私に出していたのです。いちど私がデコデザインの大きな鏡台の引き出しの中身を取りに彼女のベッドルームに入ったことがありました。彼女のデスクには片手鍋の中に割り箸が突っ込まれてラーメンの汁だけ残ってました。

半年もしないうちにその子は出て行きましたが後で聞いた話しによると彼女は心理学を勉強しにNYに来たそうです。