NY百花繚乱 - Freer Gallery

Freer GalleryはWashington DCのSmithsonian Institutionの一角にあり私の大好きな美術館です。大きさもゆっくりと鑑賞するにはうってつけの大きさで、展示物の内容が何時行っても充実していてその質の高さに驚かされます。スミソニアンは1日や2日ではとても観きれるものでは無いのでゆっくり観ようと思ったら最低一週間は掛かると思います。

ある夏の年にひとりの紳士が私の店に入って来られました。とても感じの良い方で日本に度々行かれるそうです。それで名刺を頂いたら何と彼はFreer Gallery のDeputy Directorと肩書きに書いてあるのです。私は彼に私がいちばん好きなギャラリーであることを伝え、ワシントンを訪れることがあればぜひ連絡します、と伝えて別れました。お店では時折とんでも無い人がやってくることがあるのです。こちらの浅学を披露しようものなら後で赤っ恥をかく結果になるのですから用心しないといけません。特にそのような方々は決して自分の知識をひけらかすことはありませんから。

彼のラーストネームは失念しましたがファーストネームはJamesでジムさんでした。2012年の3月末にワシントンの桜を見に行った時に私はアポイント無しで直接ギャラリーに行ったのです。ちょうどワシントンは桜祭りの真っ最中で、10日間ぐらい様々なイヴェントがあちこちで開催されてどのミュージアムも多忙を極めていた時期だと思います。私は一階のレセプショニストに彼のことを訪ねてお会いしたい旨を伝えました。するとその女性は私に彼と日本語で話したか?と尋ねるのです。私はノーと答えたところ、彼女はジムは日本に何と25年住んでいて日本語が大変流暢だと言うのです。そんなことは私の店でおくびにも彼は出さなかったので意外でした。それでお忙しい中をわざわざ時間を作って下さりギャラリーの中庭で30分ほど話しました、もちろん会話は英語です。聞けば彼は1年に5回は日本に行くそうです。それで私はご専門は何ですか、とお聞きしたら中世期の絵巻物だとおっしゃるのです。国宝級の絵巻物はすべてご覧になったそうです。それで私は恐る恐る彼に聞いてみました。それらの絵巻物に書かれている物語りは読めるのですか? 答えは Yes でした。私はそれを聞いて思わずのけぞりそうになりました。私たちの会話はとてもなごやかに進みジムさんに会いに来ただけでもワシントンに来て良かったとつくづくそう思いました。